空のきまぐれ

読書記録 雑記 調べたことをきままに

あのころの、 / 窪美澄 瀧羽麻子 吉野万理子 加藤千恵 彩瀬まる 柚木麻子

こんばんは、soraです。

【読書記録】

感想は素人の主観であってあくまで手だの感想ですので、悪しからず。

 

今回もネタバレ無しですが途中、内容に触れることはあるかもしれませんのでまっさらな状態で読みたい方は感想スルーでおねがいします。

 

それと、

「普段本のことを話すとき"さん"づけしてるわけではないのに公の場に感想を書くからって敬称をつけるのもどうなんだろう、ただの一般人の個人的感想の延長に過ぎないのに」

と思うところもあって今後敬称は省略させていただこうと思います。もちろんどの作家さんの本も好きで尊敬していますが私は出版関係の仕事に付いているわけでもなく、知人に作家がいるわけではないのでそうさせてもらいます。

(欲を言えば身近に物書きをやっている人がいて欲しいものです。自分の想像の及ばない世界なので尊敬の眼差ししかありません。)

 

敬称略というかそういうのを事細かく気にしないというスタンスでいくので敬称がついていたりついていなかったりすると思います。

 

これを読んで作品に興味を持っていただけたら光栄です。

 

今回は窪美澄、瀧羽麻子、吉野万理子、加藤千恵、彩瀬まる、柚木麻子、六名の女性作家によるアンソロジー『あのころの、』です。

 

アンソロジー(anothology)

いろいろな詩人・作家の詩や文を、 ある基準で選び集めた本。また同一詩人・作家の選集。詞華集。佳句集。名文集。(デジタル大辞泉/小学館)

 

六名の中で作品を読んだことがあるのは窪美澄『よるのふくらみ (新潮文庫)』、加藤千恵『点をつなぐ (ハルキ文庫 か 16-1)』『あかねさす――新古今恋物語 (河出文庫)』です。

 

 

あのころの、 (実業之日本社文庫)

あらすじ

夢、あこがれ、自信。悲しみ、怒り、とまどい。不安、嫉妬、そして別れ。熱い注目を集める気鋭女性作家6人が、あのころ―女子高生時代―ならではのセンシティブな心模様、取り巻く情景を鮮烈に紡が出す。いまを全力で駆け抜ける現役女子高校生と、かつて女子高生だったすべての大人の女性たちに贈る、珠玉の青春アンソロジー。(内容「BOOK」データベースより)

 

 

 

以下、ネタバレありません

 

 

 

『リーメンビューゲル / 窪美澄』

カトリックの私立女子校に通う主人公透子とその友達ハルカの二人の物語。

二人共お互いを親友と思っているはずなのにどちらも本当に話したいことは話せないでいる。複雑な家庭の事情。秘密。忍び寄る影をキッカケに二人の関係は...。

 

読んでてもどかしかったり、あぁやっぱり女性は誰もが同じような経験をするものかななんて思いました。『よるのふくらみ』を読んだことあるので窪さんも例にもれず経験したことがあるのかもしれません。

 

友愛の物語っていいですよね、私はそういったジャンルの小説であればとりあえず読みたくなるくらい好きなジャンルです。

ついつい自分の親友のことを考えてしまいます。

 

 

『ぱりぱり / 瀧羽麻子』 

「妹さんは普通なんですね」と悪気なく言われてしまう、普通の妹と、そう言わせてしまう"変な"姉。そんな姉妹の話。

 

妹はこんな風な考えを持つ。

わたしだって偉そうなことは言えない。とりたてて才能を持っているわけでもない。普通であることそのものを、否定するつもりもない。ただ、それをごまかしたがるのだけはかっこわるいと思う。まして、できあいの意見を借りて賢しげにわかったようなことを言い立てるなんて、ださすぎると思う。

 

私が言われたのかと思った。

特に何かに秀でてるわけではないし、自分のことを極めて"普通"だと思っている。

 

だからなにか才覚のある人をみては嫉妬したり、はたまた周りの意見を感じ取っては当たり障りのないことを言ったり、さも自分の感想であるかのように言ったりする。

 

このブログだって、同じ本を紹介してる記事をみてそちらが優れてるとそれを真似して書き直したくなる。(そんなことをしたら書いてる意味もないし叩かれるだけなのでやらないが)

 

要するに自分の感性に自信がない。

それゆえに取り繕ってしまっている私はかなり"ださい"のだと言い当てられてしまった。

 

物語に入り込むと、さも自分が言われているかのように感じる体験が出来るが今回は全く違った。

 

 

本当に私が言われた。

 

 

読書をしていて自分が責められるのは初めてで苦しいものだと知った。

苦しいけど読み進めるにつれてこれからのちょっとした意識改革の種が見つかりました。

 同じような境遇にいて周りの意見ばかり気にして優れているかのような意見に振り回されがちな方にはぜひ読んで欲しい。読むべきだと思います。

(日本人はこういう人おおいんじゃないでしょうか。)

 

これからは、まずこのブログのなかから、周りを気にせず、貧相な感性だと思われようとも感じたことをそのまま書こうと決めました。

 

とんちんかんな感想を抱くかもしれないですが、広い心をもってみていただけたらと思います。

 

 

 『約束は今も届かなくて / 吉野万理子』 

学生時代に主人公が気になていたもの会話することなく卒業してしまう。後に同窓会で話すようになったがそれでも合うのは年に一度の同窓会の時だけ。それにも関わらず、親友にも話してこなかった小説を書きたいという夢を打ち明ける。二人はそこである約束をする...。

 

当たり前だが長い時間を跨ぐ話に短編はあまり向かないなと思いました。

人との関係性が腑に落ちなかったり、物語に入り込むことができませんでした。

ただそれでも心に引っかかる部分はありました。

負けを認めるのが許せなくて勝負から逃げたりだとか。

特に私は勝ち目のないような勝負に対して逃げる傾向があるのは自覚してるのでそういった部分は主人公に共感できました。

 

 

『耳の中の水 / 加藤千恵』

主人公の有と里麻、かなめ、池、仲の良い4人の女子高生の話。

有の心境の変化と四人の関係の変化が有の耳のささいな異常とが連動してる。

自分の環境の変化が怖い有と、変化を恐れる様子のない友人。

 

個人的に和歌であったり俳句、古典文学、に憧れのようなものがあるので加藤千恵の作品のそういうのが好きだったりするけれど、今回は四人の関係性を例えるのに一瞬『若草物語』が出てきただけ。残念ポイントでも何でもないですが。

 

 この話は他のものと比べて短く、もっと読みたいと思ったのが正直な感想。

これが、"もっと読みたいと思わされた"と捉えてプラスに捉えるのか、"物語としては物足りない"とマイナスに捉えるかは人それぞれだと思います。私にとってはプラスです。

 

著者に興味を持った方には冒頭にも書いた、私が読んだことのある2つの別の作品をぜひ読んで欲しいです。

 

 

『傘下の花 / 彩瀬まる』

母の職業柄転校を繰り返してきた慧子と、生まれてから一度も海も見たことなく、代々続く伝統ある和菓子店の一人娘八千代。正反対の境遇を持つ二人は音楽室で出会いやがて仲を深めていく。

 

初読み作家だったけれど、こういった話は結構好きなので違和感なく楽しめた。今度他の作品も読んでみようと思った。

 

『終わりを待つ季節 / 柚木麻子』

高校三年生、受験を避け内部進学を選んだ琴子と、難関国立への推薦入学が決まっている学内一の人気者、真澄。今まで関わりのなかった二人が、受験を控えた周りをよそに仲を深めいく。卒業までの二人の関係を綴った物語。

 

柚木さんはよくおすすめ作家で見かけるので気になっている作家さんです。この話も心地よかったのでおすすめがあれば是非教えていただきたいです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

あのころの、 (実業之日本社文庫) 

 

前回の読書記録は以下からどうぞ。

 

sora1530.hatenablog.com