
尊敬していた人からのレイプ。
警察・検察上層部によって
『Black Box』に閉じ込められたままの真実。
被害直後に取るべき行動、
大切な人の「万が一」のためにも読んでおきたいノンフィクション
こんばんは、そら(@15sora30)です。
【読書記録】
はじめましての方は注意書きをどうぞ。
www.sora-no-kimagure.com
本屋さんで平積みされててとても気になっていたものの、
内容がヘビーだったので手が出せずにいた1冊。
色々と考えさせられながら読みました。
プレゼントしていただいた方、ありがとうございました。
あらすじ
真実は、ここにある。
なぜ、司法はこれを裁けないのか?
レイプ被害を受けたジャーナリストが世に問う、
法と捜査、社会の現状。
尊敬していた人物からの、思いもよらない行為。
しかし、
その事実を証明するにはーー密室、社会の受け入れ態勢、差し止められた逮捕状。
あらゆるところに〝ブラックボックス〟があった。
司法がこれを裁けないなら、
何かを変えなければならない。
レイプ被害にあったジャーナリストが、自ら被害者を取り巻く現状に迫る、圧倒的ノンフィクション。
Black Box
主な登場人物

真相は『Black Box』でも大切な人の万が一に備えて読んでおきたい1冊

正直なところ、非現実的過ぎて
「フィクションなのではないか」
と思ってしまうし、
フィクションであって欲しいというのが本音。
被害者による著書なので一方的に事実と断定することはできないけれど、
「でもまあ概ね事実なんだろうな」
と感じました。
セクハラ、パワハラが騒がれていてもなくならないのだからこんなひどいこともありうる。
あとこれも個人的な感想だけれど、
事後のメールでの山口氏の返答が腹立つ。
「日本語通じないの?」
「はぐらかさないで聞いたことに答えろよ。」と。
でも真実どうこうは読むにあたって重要ではない。
著者の伊藤さん自身、伝えたいのは社会の現状であり、
それによって世間で議論が巻き起こったり、
自分のように被害後の行動を後悔する被害者を出さないために伝えたいとしている。
自分、もしくは自分の大切な人が最悪の被害に遭ってしまったとき、
適切な行動で、悲しく悔しい思いを減らすために読むべき本だと思いました。
レイプに遭ったら取るべき行動

性被害にあった本人が直後に冷静な判断、行動を取れるとは思えません。
しかし周りの大切な人が遭ってしまった時サポートできるように、
そして自身が知識として前もって知っているだけでアクションは変わるかもしれません。
これだけは知っておいてほしい。
真っ先に「救急外来」へ : 「産婦人科」では事足らない

「レイプキット」による検査を受ける
被害に遭ったらまずは119番。
(24時間以内が望ましい)
「性被害に遭ったので救急車をお願いします」
と言えるのがベストということでしょう。
恐怖に支配された状態で自力で行動できるとは思えませんが、
知っているのと知らないのとでは雲泥の差があると思います。
可能な限り、
衣類もそのまま、
もしくは着替えてビニール袋などに入れて持っていく。
レイプされたら当然気色悪さ、
嫌悪感で「身体をきれいにしたい」と願うのは想像に難くない。
実際に伊藤さんもそうしたとのこと。
ただ、後悔したとおっしゃっています。
妊娠の可能性も心配だったためシャワーで身体を流してから「産婦人科」へ行ったそうです。
しかし、シャワーよりも先に、
「救急外来」へ行くべきだったと。
訴える訴えないなんてことは直後は考えられない。
それでも「救急外来」へ行けば「レイプキット」によって証拠となる体毛や精液の検査に加え、
睡眠薬などの薬物検査もでき、証拠保全をしてもらえた、と。
ホットラインは役に立たないかもしれない

一概には言えないと思いますが、
伊藤さんのケース、伊藤さんが助けを求めたNGO団体では役に立たなかったそうです。
「まずはセンターへ来てくれ」と言うだけ。
出歩くのも恐怖が付き纏う状態の被害者に対してこれでは意味がありません。
すべての支援センターがそういうわけではないと思うので、
「救急外来」へ行った後などに助けを求めてみてください。
【一覧】性暴力被害者支援ワンストップセンター
おわりに : 知識を持っておくことが第一

伊藤さん同様、
法と捜査、社会の受け入れの現状
などに関する議論が巻き起こることを望んでいますが
被害に遭ってしまったらどうすればよいのか
を知ってもらうことが重要だと思いました。
権力を振りかざして暴力を人間は最低です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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いつもありがとうございます。