生きている理由 / 松岡圭祐
こんばんは、sora(@15sora30)です。
【読書記録】
はじめましての方は注意書きをどうぞ。
あらすじ
滅び行く清の王女・「愛新覚羅顯㺭(あいしんかくらけんし)」は国を去り、日本で川島芳子として育てられた。
後に大陸進出に邁進する闘士として、東洋のジャンヌ・ダルクと持て囃された彼女が、なぜ十代で女を捨て男になると宣言し、「男装の麗人」に変貌したのか?
国家を巡る思惑の狭間で生きる少女の数奇な恋と運命、激動の青春篇。
内容(「BOOK」データベースより)
主な登場人物
川島芳子 : 清朝の皇族、第14王女「愛新覚羅顯㺭(あいしんかくらけんし)」。7才で日本人の川島浪速のもとへ養女として迎えられる。
川島浪速 : 芳子の養父であり、粛親王善耆(しゅくしんのうぜんき)と親交が深く、満蒙独立を志す。
愛新覚羅善耆(あいしんかくらぜんき) : 清の皇族。粛親王の位に就く、芳子の実父。
慧冰(ホイビン) : 芳子の実母。
山家亨 : 松本聯隊(まつもとれんたい)に所属する陸軍兵士。
カンジュルジャブ : モンゴル人(蒙古人)兵士。
初めての歴史小説、杞憂
「男装の麗人」「川島芳子」「東洋のジャンヌ・ダルク」「東洋のマタ・ハリ」
そのどの呼称も聞いたことがなく、まったく予備知識のない状態での歴史小説となりました。
終わらせること・終わらせたいこと【ToDoリスト】 - 空のきまぐれ
ここでも書きましたが序盤、清の人名が多く出てくるため読みにくさはありました。
しかし顯㺭(けんし)、善耆(ぜんき)、浪速、慧冰(ホイビン)、山家の人物相関だけわかってしまえば物語にスッと入っていけます。
それ以外の清の人名は分からなくなっても序盤にしか出てこないので問題ありませんでした。
そんなことよりも芳子の数奇な恋と運命の先を知りたくて読み急いでしまいました。
川島芳子はなぜ永遠に女を捨てたのか
「男装の麗人」と呼ばれるほどに容姿端麗にもかかわらずなぜ、女を捨て、男装してまで男として生きることを選んだのか。
史実では明らかになっておらず、様々な憶測の飛び交う中で繰り広げられる物語でした。
清朝の皇族として生まれたのにもかかわらず日本で育てられ、
女として生まれたのにもかかわらず男として生きることを決めた、
ある少女の苦悩と葛藤、愛のある青春物語といった感じ。
読んでいて思わず一人唸り、苛立ちを覚える描写もあり、感情の起伏の大きい小説でした。
松岡さんが書く歴史小説だけあってバリバリのミステリ要素もあって、歴史どうこうではなくひとつの物語として楽しむことができました(/・ω・)/
これで完結かと思っていましたが続編も決まっているらしいので今から楽しみで仕方ありません。
松岡さんの書いた『八月十五日に吹く風』『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』『黄砂の籠城』も読んだ時には読書記録を書きたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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