短編集のふりをした長編小説『チルドレン』伊坂幸太郎

チルドレン / 伊坂幸太郎

 

こんばんは、soraです。

【読書記録】 

 

はじめましての方は注意書きをどうぞ。

 

伊坂さんはアイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)に引き続き2作目。

よろしければこちらも合わせてお読みください。 

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本日の読書記録、

『チルドレン』伊坂幸太郎

チルドレン (講談社文庫)

 

 

あらすじ

「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。

彼を中心にして起こる不思議な事件の数々――。

何気ない日常に起こった5つの物語が、一つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。

ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。

内容(「BOOK」データベースより)

 

主な登場人物

陣内 : 家裁調査官で少年事件担当。理屈にならない理屈で人を困らせるのが彼の悪い癖。相手が年上の男だと、特に張り切る。この短編集の中心の担う人物。

武藤 : 家裁調査官。陣内の3つ後輩。

鴨居 : 陣内の友人。しかし鴨居は陣内のことを友人とは認めない。良くも悪くも普通の青年。

永瀬 : 『バンク』をきっかけに陣内・鴨居と友人になる。全盲、非常に頭の回転が早い。

優子 : 永瀬の恋人。時折ベスに嫉妬。優子いわく、ベスは優子を経験の足りない後輩と思っている節があるらしい。

ベス : ゴールデンレトリーバー。盲導犬であり永瀬の目の役割を果たしてくれる。

 

短編集のふりをした長編小説

著者自身がそうおっしゃているように、1つ1つの短編ではありますが5つの物語すべてが"陣内"を通してつながっている長編でもあります。

そんな5つの物語をさらっと紹介。

バンク

学生時代、陣内・鴨居が永瀬と友人になるキッカケとなる物語。

その名の通り"銀行"が舞台で永瀬の聡明な一面、鴨居の普通な一面、陣内のクレバーな一面が垣間見れる。

チルドレン

28歳独身の武藤へ放たれた、「おまえの大事な子供が誘拐されていたみたいだぞ」という陣内の一言から物語が展開されていく。

『バンク』からはおよそ10年後、家裁調査官・武藤と陣内の物語。

 

レトリーバー

現在銀行に勤務している優子が過去の"黄金時代"を回想する。

やはり陣内はクレバー。

 

チルドレンⅡ

人事異動を経て家事事件担当になり、陣内との接点が無くなったことをすこし寂しく思っていた武藤。

そんな武藤が陣内から飲みに誘われるところから物語は始まる。

ここでも陣内はやはりクレバーで、さらにはかっこよかったりもする。

 

イン

物語は過去へ遡る。

陣内がバイトをしていると聞いてデパート屋上へと足を伸ばす永瀬と優子。

しかし、陣内はどこにも見当たらない。

音で親しい人物を探し当てられる永瀬にも陣内は見つけられないが...。

 

かなり迷惑、なのに"かっこいい"

陣内はなんとも奔放で、こんな性格では世の中に生きづらさを感じているに違いない。

周りはそんな陣内に終始振り回され続け、迷惑極まりない。

本当にこんな友人がいたら私だってしかめっ面ばかりになってしまうが、それでも彼には人を惹きつける魅力に溢れている

彼は私たちが簡単に手に入れることのできる"常識"は持ち合わせていないが、私たちが簡単には手にれることの出来ない"正義"をいとも簡単に振りかざしてくる。

なかでも『レトリーバー』で出てくる

「何で、お前だけなんだよ!」

「そんなの、関係ねえだろ」

には舌を巻きました。

「なるほど、たしかに」と。

さらにそんな陣内の"正しさ"は少し滑稽であるというのがまた面白い。

思わずクスッとしてしまう陣内の"正しさ"、そしてこの小説自身にも陣内の人柄と通ずる部分があり、それもまた魅力的でこの1冊に魅了される要因となりました。

 

伊坂作品初心者の私にとって"物語のリンク"はすごく心地よい、特別なものに感じます。 

しかしその"特別"は短編に限ったことではなく、長編小説もどこかで他の作品とリンクしているというのが伊坂さんの有名な特徴とのこと。

初心者である私は長編を読んだことがないので、次はデビュー作オーデュボンの祈り (新潮文庫)から順に読んで伊坂さんの真の才能に触れてみたいと思いました。

  

チルドレン (講談社文庫)

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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